2006 / albino
Retail
都内のアパレルショップを想定したプロジェクト。以下がコンセプトである。
最近の東京から改めて実感すること。
空間というものは、周辺環境との関係性や歴史性、その空間が求められている機能等の様々な与条件に応じる事によって出来上がる、という訳ではない。
空間が出来上がる事によって、時には周辺環境も歴史性も変えてしまう。求められる機能も従来の枠組みを超えて、全く新たな機能も生まれる。それは、生物学上の進歩においても類似した事であり、ある個体群の中での小さい変化の積み重ねに起因するのではなく、突然変異体が全くの偶然や幸運で、稀に発生する事によって進化してきた。私自身、人間が微生物から進化してきたとは想像し難く、突然変異のように多大なベクトルによって発起してきたとしか想像できない。このような突然変異は色素欠乏によって起こり、優性である黒に対し、ここでは劣性である白が生まれる。
ショップの空間構成として、都市がショップへ介入するように白の空間とした。色が最大化する事で、事象をつくる要因として必要なアクティビティ・音・風などの微粒子が流動して、空間そのものが流動的となり自由な雰囲気を醸し出す。 我々の環境そのものは人工的な着色環境にあり、モードの空間においても素材の多様化に伴い見ただけの判断では素材の情報は得られず、その為にフィッティングルームがあるといっても過言ではない。ま た、フィッティングルームをモードを纏うことによって断片化した身体感覚を構築する空間だけに留めて置きたくはなく、ディスプレイスペースへ踏み入れたと 同時に「瞬間調光ガラス」により壁と同化(albino)する事で、視覚的にも閉鎖させ、商品や他者を欲望する空間とした。
全ての事象が流動化の直中にあり、身体や自己意識は常に変化、合成、離反を繰り返している。そこで、もし都市や自然が今一歩ショップに介入したら、アイデンティティの構築の場となり得るのではないか、そんな空間を目指したい。


